乳がんの検診は本当に必要なのか?

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乳がんの検診は本当に必要なのか?

若い芸能人の方が乳がんで亡くなると乳がん検診が大変増えるようです。気持ちは大変理解できますが、では乳がんにならないためには、できるだけ若い時から検診に行き高い費用となってもマンモグラフィなどを受診した方がリスクを少なくすることができるでしょうか?

✨検診に対する過度な期待と誤解✨
20歳代や30歳代の方で遺伝的な要素がない方に関して乳がん検診をする必要はないと言われています。

理由
〇20~30歳代の乳ガンは少ないから
〇若い方の乳房はマンモグラフィで白く映り診断が難しいから
〇不必要な放射線を浴びるリスクがあるから
乳がんの場合は30歳代後半から発症する方が増加して、60歳代後半でピークを迎えます。20歳代でも罹患する方はいますが、2%とかなり稀といえます。その2%に自分が入ってしまうのが怖いから検診を受けると思うかもしれませんが、それでも検診をすることが勧められていないことには以下の理由があります。

若い方の乳房はマンモグラフィで白く映ってしまうことが知られ、同じように白く映るガンを見つけることが難しいと言われています。これは高濃度乳房と呼ばれ、アジア人に多いことがわかっています。そのため若い日本人女性はかなり高い確率で高濃度乳房であり、読影する医師が「雪山で、白いウサギを探すように困難だ」という例えをするくらい難しい診断になります。そのため、不安に駆られて20歳代から高頻度にマンモグラフィを行っても「異常なし」の通知だけ届いて乳がんの見極めが出来ていないだけということもあり得ます。
また、そのように結果的に病気を発見できないのにも関わらず、放射線の被爆をすることになります。実際のマンモグラフィの線量は2mSv程度と多くはありませんが胸部撮影では0.06mSv。比較すると少ない線量ではないことが理解できます。危険なレベルとは言えませんが、健康な20歳代の女性が不安で6か月に一度被爆することは危険がないとは言い切れません。

✨結論として若い女性が乳がんの早期発見のために、自覚する症状がなく、要精密検査になるわけでもなく、乳がんの家族もないのに半年に一度、自費診療でマンモグラフィ検診を受けても乳がんいなる事を回避したとは言えません。

正しく理解し乳がんにならない最善を尽くすなら!!

① 40歳代から2年に一度👌
40歳以上の方は2年に1回検診が必要です。2年に1回で良いのか不安に感じる方もいるかもしれませんが、多くの研究結果から毎年受診するのと同様の効果があると確認された為に2年に一度で良いという結論になっております。

② 母親が乳がんの既往歴がある方などは早めに受診

身内に乳がんや卵巣が方か多いことで、発症率が高くなることがわかっています。40歳に満たない方でも遺伝的な要素により、乳がんになりやすいと思われる方は、被爆の少ないように間隔を空けてのマンモグラフィやエコー検査などを定期的に行うことは、大変重要と思われます。また月に一度程度ご自身やパートナーにしこりのチェックをしても良いと言われています。

③ 自覚症状がある方、乳房にしこりを感じる方
これは検診どうこうの話ではなく、医師の診察が必要です。乳がんのハイリスクグループではない方でも、しこりを感じたり、乳房の形の変化を感じたりした場合(急にくぼみができた)は公的検診を待つのではなく、すぐさま医師の診察を受けることを強く勧めます。
④ 要精密検査がある方は、必ず再検査を!
検査はあくまでも検査で、検査しただけで改善することは当然あり得ませんよね。要精密検査の通知が見ても3割の方は、怖くて再検査に行かないという統計があります。また面倒であったり、忘れてしまったりすることで手遅れとなる方が一定数いるようです。検査をすることより、その結果が重要です。放置しないようにしましょう。

そもそも乳がんとはどのようなものか?

乳がんは女性のなかで最も多いがんで、日本では11人に1人が生涯のうちに罹患するといわれています。また2021年には年間14,908人という多くの方が亡くなっている病気です。
しかし
✨罹りやすい病気ではあるが、早く見つかると生存率は高く治癒は可能ながんである
✨しっかり検診していれば簡単には死亡しないガンでもあります。
しかし大きな問題は日本受診率は低いことです。
検診受診率 40~69歳 日本→44.9% ・欧米→70~80%
と言われ大きな差があります。正しい知識を持ち2年に一度の検診を受ける方が増えれば、乳がんで苦しむ女性が減少することは間違いないことでしょう。
上記の情報は日頃より六本木整骨院を利用される方へ乳がん検診の情報としてお伝えしている内容をわかりやすく簡略化し記載したものとなります。上記の内容がすべての乳がん検診を受診される方に適した情報であるということを保証するものではありません。乳がんの診断には乳腺外科の医師の診察が必須です。お体に不安がある方は医師の診察を推奨します。