温シップ冷シップどちらが正解!?

整骨院に勤めていると患者さんからお聞きする最も多い質問の一つが温シップと冷シップのどちらがいいか?という質問です。
◎どちらでも良いというのが答えです。効果に違いはありません。
「痛みがあるのに温めて良いのか?」という疑問が湧く方も多いと思いますが、実際に皮膚温度が上昇することはないとされています。冷シップも同様でメントールが含まれていて冷たい感覚を感じますが、実際には冷却をする効果はありません。温シップはカプサイシンやトウガラシを含ませていることで温まっている感覚を引き起こしております。そのため温かく感じますが、皮膚温の上昇は無いとされており、温熱効果といわれる温めたことによる効果は得られません。
そのため、慢性的な痛みや急性的な痛みなど様々な筋肉的な痛みに関して、どちらを使っても問題はありません。「温める」と「冷やす」が全く逆の行動なので、間違えてしまったら大変なことになるのではないかと心配する方が多いためか、この質問が多くなるのかもしれませんね。例えば慢性的な肩こりに冷シップをしても特に悪化するようなことは無いと言えます。
◎冷やした方が良い場合とは
捻挫や打撲のように急に捻ったり打ったりした場合で、熱を持ち明確に腫れてしまった際に氷にて冷やす方が効果的と言えます。氷を使うことが出来る環境にあればビニールで氷嚢を作り10分程度冷やすことが最も有効でしょう。この際に保冷剤を使用すると冷たすぎて低温やけどを起こすことがあるので注意が必要です。保冷材は薬品により0度以下まで冷たくなるためです。
昔のシップは厚みがあり水分を含んでいましたが、現在ではシールのように薄く厚みがありません。もしかしたら若い方々はこのような厚みのあるシップを既に見たことが無い方も多いかもしれませんね。これらはハップ剤と呼ばれ水分を含んだゲル状部分が気化熱で患部を冷やすとされております。しかしその効果は実際わかっていません。しかし腫れた部分にこのハップ剤を貼ると冷たくて気持ちよくは感じますので、好まれる方もいるとは思います。しかし現在では炎症鎮痛剤を含んだ厚みの無い薄いシール状のシップが現在の主流となっております。
◎モーラステープやロキソニンテープ
最もポピュラーなものはロキソニンテープやモーラステープではないでしょうか?これらは経皮鎮痛薬と呼ばれ消炎鎮痛薬を含んでおります。両方とも非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に含まれます。
NSAIDs(エヌセイズ)は一般の方には聞きなれない言葉ですが、痛み止めの飲み薬なども多くはこの分類に含まれます。
◎ちょっと待って!シップの貼りすぎに注意
痛みのある場所に、毎日のようにシップを体中に10枚以上貼って方がいますが、注意が必要です。シップは経皮鎮痛薬と呼ばれますように、皮膚から薬が体の中に浸透され効果が現れます。皮膚から吸収され最終的に肝臓で代謝され腎臓に排出されることはあまり知られていません。飲み薬を飲んだ時と比べると、肝臓での代謝は軽減されますが、貼りすぎれば肝臓や腎臓に負担を掛けることもあります。確かにシップは副作用が少なく薬局でも簡単に購入できる薬なので、大変便利ですがシップ薬の種類によっては一日2枚までや鎮痛薬との併用をしてはいけないものもあります。医師の指示を守り用量、用法を必ず守った貼り方が大切です。
また、モーラステープは光線過敏が良く知られています。テープを使用した場所に日光が当たるとかぶれることです。使用後には着衣などにより直接日光が当たらないように注意が必要です。
◎シップが効きにくい痛み
しびれを伴う痛みはシップが効きにくいケースが多いといわれています。これは神経が原因になっている痛みで「神経障害性疼痛」と呼ばれます。坐骨神経痛や頚椎ヘルニアによる足や腕のしびれなどがこれにあたります。神経の痛みは簡単に改善することが少ないので、消炎鎮痛剤を使用しても、効果的ではないことも多いと考えられます。個人的な経験としてその際はサロメチールのようなカプサイシンやメントールの入った塗り薬を痛い部分に塗布する方が、痛みの感覚が薄れることがあります。カプサイシンにより感覚神経終末が暴露され鎮痛効果を発揮します。根本的な治療ではないものの、知覚が鈍磨され痛みを感じなることも少なくありません。タイガーバームやメンタームQなどもこのような分類に入ります。
症状が改善されない痛みをお持ちの方に関しては医師による診断や薬剤師からので説明が重要です。上記の内容は整骨院に関係のある痛みに対しての対処法概要をまとめたものであり、すべての内容を保証するものではありません。